自動車のトランクを配達先に指定して顧客が荷物を受け取るサービスの試験プロジェクトを、ダイムラーの超小型車子会社スマートと物流大手DHLが共同で実施する。DHLは同様のプロジェクトを昨年、高級車大手アウディ、ネット通販大手アマゾンと共同実施。高級車大手BMWとも試験運用を予定しており、自動車を配達先とする動きは近い将来、急速に普及しそうだ。
スマートとDHLは9月にシュツットガルトで同試験プロジェクトを開始する。数カ月後にはケルン、ボン、ベルリンでも実施。最終的にはドイツ国内の計7都市で展開する考えだ。車両数は1都市当たり数百台を想定しており、スマート車の持ち主に参加を呼びかけている。
参加車両には「コネクティヴィティ・ボックス」という装置を装着してコネクテッドカーとすることが必要で、スマートは参加車両に無料で取り付ける。また、9月からは同装置を標準装備したモデルを市場投入する。
参加者はネット通販で商品を注文し、配達先を自家用車(スマート)に指定。その際、専用のスマホアプリでTAN(取引番号)を作成し、宛先のc/o蘭に入力する。配達人はアプリを使ってトランクのカギを開け、荷物を入れる。トランクを閉めると自動施錠され、アプリを使っても開けることができなくなる。特定の時間帯以外はトランクが一切開かない仕組みで、安全性が高い。
アウディはDHL、アマゾンと共同実施したプロジェクトの成果を踏まえ現在、トランク向け配達の本格展開を検討している。