シンジェンタ―中国化工による買収を米CFIUSが承認―

中国の大手化学メーカー中国化工集団(ケムチャイナ)がスイスの農業化学大手シンジェンタを買収する計画を、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が承認したことが、両社の22日の発表で分かった。CFIUSは米国への外国直接投資(FDI)が国家安全保障に脅威とならないかを調べる審査機関で、同買収計画実現の大きなハードルと目されていた。両社は年内の買収手続き完了を目指しており、世界の多くの国・地域で同計画への承認を得るために現在、当局と協議を進めている。

シンジェンタは米国売上規模が大きいうえ、同国に研究、生産施設を持つことから、CFIUSの審査対象となっていた。米国内には中国化工がシンジェンタを買収すると、農家への種子、農薬の供給が危うくなる懸念があるとして、CFIUSに対し食糧安全保障上の観点から厳しく審査するよう求める声があった。

今回の計画承認を受けて、独バイエルが米農業化学大手のモンサントを買収する計画もCFIUSから許可される可能性が高まったとみられている。

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