8月乗用車新車登録8.3%増に、PHVは急増もEVは伸び率小さく

ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した8月の乗用車新車登録台数は24万5,076台となり、前年同月比で8.3%増加した。比較対象の2015年8月に比べ営業日数が2日多かったことが大きい。1~8月の累計は前年同期比5.7%増の225万7,781台だった。

8月の新車登録台数を動力源別でみると、ガソリン車のシェアは前年同月の51.8%から52.6%に拡大。ディーゼル車は同46.5%から45.3%へと縮小した。ディーゼル車をめぐっては欧州連合(EU)の環境基準を順守するために多くの都市で市内乗り入れ規制が避けられなくなるとの議論が出ており、これが響いた可能性がある。

ハイブリッド車の新車登録台数は前年同月比84.5%増の3,927台と大きく伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)はそのうち836台で、伸び率は46.7%だった。PHVでは購入補助金の申請受付が7月に始まっており、これがプラスに働いたもようだ。ただ、電気自動車(EV)は同補助金の支給対象となっているにもかかわらず、7.7%増の895台と小幅な伸びにとどまった。

走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均128.2グラムで、前年同月を0.5%下回ったものの、前月(127.9グラム)に比べると0.2%増加した。

新車登録台数の伸び率(前年同月比)が最も大きかった部門はキャンピングカーで、53.4%を記録。オフロード車も34.6%増加した。大型車(35.4%減)とスポーツ車(17.5%減)は大幅に落ち込んだ。

ブランド別でみると、販売規模の小さい韓国の双竜(66.5%増の363台)、アルファロメオ(59.8%増の302台)、レクサス(59.7%増の190台)で50%以上の伸びを記録した。フィアット(32.8%増の6,512台)とテスラ(31.5%増の171台)も30%以上、増加した。

ドイツ車ではシェア20%のVWが16.3%増の4万8,851台と好調だったほか、メルセデス(13.3%増の2万4,817台)、ポルシェ(13.2%増の2,093台)、ミニ(12.4%増の2,823台)も2ケタ台の伸びを記録した。アウディは8.3%増の1万9,238台、フォードは7.9%増の1万7,423台。オペル(3.2%減の1万6,436台)、BMW(4.5%減の1万7,534台)、スマート(11.2%減の2,307台)は減少した。

日本車はすべて増加した。各ブランドの実績はトヨタが26.6%増の5,914台、日産が17.3%増の5,637台、スズキが13.1%増の2,731台、マツダが12.7%増の5,042台、スバルが10.6%増の469台、ホンダが8.5%増の1,677台、三菱が3.2%増の2,465台だった。

日本車以外の主な輸入ブランドではダチア(28.7%増の4,907台)、ジープ(27.7%増の1,613台)、ランドローバー(27.0%増の1,466台)、ジャガー(14.6%増の809台)、セアト(12.8%増の7,897台)、起亜(12.6%増の5,108台)、プジョー(11.5%増の3,539台)が2ケタ台の伸びを記録。現代(5.6%増の9,240台)、シトロエン(1.8%増の3,385台)も前年同月を上回った。シュコダ(7.4%減の1万2,963台)、ルノー(12.1%減の7,568台)、ボルボ(20.5%減の1,798台)、DS(43.0%減の163台)は減少した。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した8月の国内乗用車生産台数は42万2,000台で、前年同月を25%上回った。同輸出台数は20%増の32万4,400台。1~8月の累計は生産台数が前年同期比2%増の386万1,000台、輸出台数が1%増の294万3,200台だった。

上部へスクロール