ドイツの首都ベルリンで18日に行われた州議会選挙で同州の与党である左右の2大政党がともに得票率を大幅に落とし、過半数議席を割り込んだ。難民急増という国政レベルの問題のほか、役所での手続きに時間がかかりすぎるといった州内部の問題も投票を大きく左右しており、与党の大敗は“自責点”の色合いも強い。
最大与党である中道左派の社会民主党(SPD)の得票率は2011年の前回選挙を6.7ポイント下回る21.6%へと下落。中道右派の連立与党・キリスト教民主同盟(CDU)も同5.7ポイント減の17.6%へと落ち込んだ。両党とも同州で過去最低の得票率となっており、有権者からお灸をすえられた格好だ。第1党の得票率(SPDの21.6%)はドイツの選挙史上で最低となった。
その他の主要政党の得票率は左翼党が15.6%(3.9ポイント増)、緑の党が15.2%(2.4ポイント減)、自由民主党(FDP)が6.7%(4.9ポイント増)、海賊党が1.7%(7.2ポイント減)。同州議選に今回初参加した移民排斥政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は14.2%で、5位に付けた。国内16州のうち10州で州議会進出を果たしたことになる。
議席配分はSPDが38、CDUが31、左翼党と緑の党がそれぞれ27、AfDが25、FDPが12。合計は160で、過半数ラインは81となっている。
次期政権の可能性としてはSPD、CDU、緑の党の3党連立(議席数96)、SPD、左翼党、緑の党の3党連立(同92)、SPD、CDU、FDPの3党連立(81)の3つが考えられるが、第1党の地位を維持したSPDのミュラー州首相は選挙戦で、緑の党、左翼党と左派政権を樹立する考えを表明しており、政権交渉はこの3党で行うことになりそうだ。
2週間前の4日に州議会選挙が行われたメクレンブルク・フォーポマーン州では、同州の与党であるSPDとCDUが政権を維持する方向で連立交渉を行うことを決めた。