独電機大手シーメンス(ミュンヘン)のケーザー社長は14日アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、同国のインフラ整備に向けた趣意書に署名した。エネルギー、輸送、スマートシティの分野で協力する予定で、今後詳細を詰めていく。署名式典にはアルゼンチンのマクリ大統領やドイツのガブリエル経済相が列席した。
アルゼンチンは前政権の保護主義や格差縮小政策が響いて2014年に債務不履行に陥った。昨年12月に成立したマクリ政権は外資の協力を受けて経済を立て直そうとしており、シーメンスはこれに協力することになる。
具体的には電力供給体制の改善、鉄道の近代化、スマートグリッド・交通システムの分野でプロジェクトを支援していく。最大50億ユーロの受注を見込む。また、直接雇用の創出で3,000人、間接雇用で同7,000人を予想している。
発電分野では計5ギガワットの設備を供給する考え。アルゼンチンは日照量が多く風況にも恵まれていることから、ソーラー・風力発電分野が中心となるもようだ。
アルゼンチンは財政・経済状況が悪いため、シーメンスはヘルメス貿易保険などを利用して資金面でも支援していく。