自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は19日、東南アジアに今年は約8,000万ユーロを投資すると発表した。同地は人口が6億人超と多いうえ、中間層が拡大するなど市場の可能性が大きく、現地事業の統括責任者は「ボッシュ・グループが重視する市場の1つだ」と明言した。
同社は今年上半期、顧客との関係を強化するためフィリピンとインドネシアに販売事務所を開設した。来年以降はマレーシアとベトナムの自動車部品工場を拡張するほか、タイにガソリン噴射システム工場を新設する。
今夏には東南アジア全域を対象に大がかりなマーケティング、広告活動を開始した。ボッシュは同地で工具メーカーとして広く知られているものの、自動車部品など他の分野の事業は知名度が低いことが背景にある。
ボッシュは東南アジアに計7カ所の工場を持ち、現地雇用規模は6,800人に上る。昨年の売上高は前年比12%増の7億8,000万ユーロ強に拡大した。合弁会社2社(白物家電のBSHハウスゲレーテと操舵装置のロバート・ボッシュ・オートモティブ・ステアリング)を完全子会社化したことで売り上げが大きく伸びたという事情があるものの、内部成長ベースでも5%の伸びを確保した。