世界初の燃料電池電車をアルストムが公開

鉄道設備大手の仏アルストムは20日にベルリンで開幕した国際鉄道技術専門見本市イノトランスで世界初の燃料電池電車「コラディアiリント(Coradia iLint)」を公開した。すでに独4州のローカル線に投入することで合意が成立しており、北部州のニーダーザクセンでは来年末から運行が始まる予定だ。

コラディアiリントは水素を用いる燃料電池電車で、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)を排出しない。最高速度は時速140キロ。燃料満タン時の航続距離は600~800キロに上る。車両の上部にタンクと燃料電池を搭載している。アルストムのディーゼル車両「コラディア・リント54」をベースに開発された。

欧州では鉄道の電化が進んでいるものの、架線設置の採算が合わない人口希薄地域ではディーゼル車両が用いられている。コラディアiリントは架線を必要としないことから、こうした地域に適している。

コラディアiリントはドイツ政府から800万ユーロの補助金を受けて開発された。独ザルツギター工場で生産する。

初の運行はニーダーザクセン州のブクステフーデ~クークスハーフェン間で行われる。さし当り2020年までを予定している。

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