ドイツの実質賃金は今年、2.2%上昇する見通しだ。人材コンサルティング大手コーン・フェリー・ヘイグループのデータをもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、名目賃金上昇率2.5%に対し、インフレ率が0.3%にとどまるため、実質賃金が大幅に押し上げられる。
実質賃金の上げ幅は自動車、化学、ヘルスケア・医薬品業界で最も高く、2.5%に達する。最低はエネルギーで2.0%。在来型発電の低迷など業界を取り巻く環境の悪化が響いており、同業界の実質賃金は長期的に低迷するという。
来年はドイツの実質賃金の伸び率が1%程度へと大きく低下する見通し。名目賃金の上げ幅は今年と同水準にとどまるものの、インフレ率が1.5%と大幅に上昇することから、実質の上げ幅が鈍化する。