エリクソン―国内生産から全面撤退か―

スウェーデンの通信ネットワーク機器大手エリクソンが国内生産の全面打ち切りを検討しているもようだ。現地紙『スヴェンスカ・ダーグブラーデット』が社内文書をもとに報じたもので、140年以上続いた自国での生産に終止符が打たれる可能性がある。同社は国内生産から全面撤退するかについてコメントを控えているものの、現在取り組んでいるコスト削減プログラムはスウェーデンの生産事業も対象となることを明らかにした。

エリクソンは生産事業の多くをすでに国外へと移管した。国内工場は同国南部のボロースとクムラの2カ所で、ネットワーク機器の部品を製造している。従業員数は計3,000人。

同社は事業再編を通してコストを今後数年で30億スウェーデンクローナ(3億1,290万ユーロ)圧縮する方針で、その半分以上を国内で実現するとしている。

エリクソンが事業再編に取り組む背景には、中国勢の低価格攻勢のほか、通信インフラに占めるソフトウエアの比重が急速に高まっていることがある。同社の売り上げに占めるハードウエアの割合は10年前の75%から34%へと低下。ソフトは同25%から66%へと拡大した。

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