マースク―2部門に分割、石油部門は分離へ―

デンマーク最大の企業であるAPモラー・マースク(コペンハーゲン)は22日、グループをコンテナ海運世界最大手のマースク・ラインを中核とする運輸・物流部門と石油関連部門の2つに分割すると発表した。海運不況と原油安という二重苦に直面し、業績悪化が続くグループを立て直すことが狙い。石油部門は分離を検討しており、最大の収益源である運輸・物流部門に集中する形となる。

声明によると、グループは海運、港湾運営事業などからなる運輸・物流部門と、石油開発や掘削、タンカー運営などエネルギー部門に分割される予定。マークス・オイルを中心とするエネルギー部門については、他社との合弁、合併、上場による分離を検討する。2年以内に具体的な方針を決める。

ラスムセン会長は両部門の事業が根本的に異なり、特有の課題に直面していることから、2つの独立した部門となって、それぞれの事業に集中するのが望ましいと指摘。「世界レベルの運輸・物流サービス」が成長の主軸になるとして、運輸・物流部門に経営資源を集中していく方針を示した。買収を念頭に置いている。