ABB―送配電部門の分離要求を却下―

スイス重電大手ABB(チューリヒ)のウルリヒ・シュピースホーファー社長は4日のアナリスト向け説明会で、送電部門を手元に残す方針を表明した。大株主である投資会社セビアン(スウェーデン)から同部門の分離を求められていたが、同社長は「この部門をわが社の所有下で改革することが最良の選択肢だ」との結論に至ったと説明した。シナジー効果を引き出すことができると強調している。

セビアンは昨年、ABBの株価低迷は事業構造が複雑な送電部門を抱えていることが原因だとして、同部門を分離するよう要求。ABBはこれを受けて、売却や合弁化の可能性を検討してきた。

ABBは9月下旬、送電部門に属する高圧電力ケーブル事業をデンマークのNKTケーブルに売却すると発表した。同部門をスリム化することで、セビアンの要求をかわす狙いがあったとみられている。

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