保険大手の独アリアンツ(ミュンヘン)が中古車販売の仲介ポータルを手がける新興企業インスタモーション・リテールに資本参加する。事業環境が変化するなかで新たな収益源を模索する試みの一環で、広報担当者は日刊紙『ヴェルト』に「デジタル化の進展を踏まえ様々な戦略的な取り組みを行う」と狙いを説明した。
インスタモーションは1年前に設立された企業で、売り手の自動車販売店と消費者を仲介する。従来の中古車仲介ポータルと異なり、同社が車両を手入れしたうえで、購入者に届ける。取り扱うのは車齢7年以下、走行距離12万キロ以下の車両で、車検の残存期間が1年未満の場合は新たに車検を行って引き渡す。1年間の保証期間を設けている。
顧客は試乗できないものの、インターネットのビデオ(5分)を通して内装・外装、ボンネット内を鑑定士の説明付で見ることができる。鑑定書も受け取る。14日以内であれば無料で返品できる。
中古車を出店するディーラーは出展した車両を、インスタモーションを介さず自らの店舗などで販売することもできる。このため販売チャンネルが増えることになる。
アリアンツはインスタモーションの事業モデルの将来性を高く評価して出資を決めた。
独自動車保険最大手のHUKコーブルクも最近、中古車事業に参入した。試験店舗をデュッセルドルフに開設。比較的新しい中古車を販売している。背景には自動車購入者に保険も販売するディーラーが増えていることがある。同社は自ら車両を販売することで、自社の保険商品を効率的に売り込めるかどうかを確かめる考えだ。