メルク―中国に医薬品工場―

製薬・化学大手の独メルク(ダルムシュタット)は4日、上海北部の南通市で医薬品工場の竣工式を行った。中国需要の拡大を見据えた措置。これまでは同国に医薬品を輸出してきたが、今後は現地での生産に乗り出す。

メルクは2013年、南通工場の建設計画を発表した。投資額は8,000万ユーロ。同工場は現在、試運転段階にあり、来年下半期から出荷を開始する。生産するのは糖尿病治療薬「グルコファージ」、甲状腺ホルモン剤「ユーシロクス」、高血圧・不整脈・心房細動治療薬「コンコール」の3種類で、中国衛生部が作成した「国家基本医薬リスト」にすべて掲載されている。

竣工式では同工場に9,000ユーロを追加投資することも明らかにした。これにより、従業員数は現在の180人から2021年までに400人以上へと拡大。生産能力は年100億錠に達する。

メルクはまた、同工場から5キロ離れた地点にライフサイエンス部門の工場を建設することも明らかにした。投資額は約8,000万ユーロ。高純度の無機塩類、細胞培養用製品などを生産する。

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