独連邦議会(下院)は11日、痴呆症患者が治験に参加する際のハードル引き下げを柱とする法案を可決した。これまでは患者本人にメリットがなければ認められなかったが、今後は一定条件を満たせばメリットがなくても治験を行えるようになる。同法案は州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)の承認を必要としないため、大統領の署名を経て施行されることになる。法案の一部は来年初頭、残りの部分は2018年下半期に発効する見通し。
同法案が発効すると、◇痴呆症患者が十分な判断力を持っている時点で医師の説明を聞いたうえで治験参加を承認する◇後見人が治験参加に同意する――の2条件を満たしていれば、判断力の低下した患者を対象に治験を実施できるようになる。
今回の法案の内容は議員各人の倫理観に直接かかわるものであったため、採決は党議拘束を外して行われた。