フォルクスワーゲン―電池工場建設へ―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が電気自動車(EV)などに搭載する電池の生産施設をドイツ国内に建設する意向だ。同社のマティアス・ミュラー社長が9日、ハンデルスブラット紙主催のイベントで明らかにしたもので、従業員の代表機関である事業所委員会の要求を受け入れた格好だ。VW初の電池工場となる。年内にも正式決定する。

VWの労使は現在、コスト削減プログラムの策定に向けて交渉を行っている。事業所委はVWグループの車両に占めるEVの割合が高まるにつれて生産に要する従業員の数が減っていくことを見据え、余剰となる従業員を、電池工場を開設して吸収するよう要求してきた。ただ、電池工場の建設コストは100億ユーロを超えるとの観測もあり、経営陣はこれまで慎重な立場をとってきた。

ミュラー社長は電池工場をいつ、どこに建設するかについては明らかにしなかった。メディア報道によると独北部のザルツギターが候補に上がっているもようだ。

VWは2025年までにEVを30モデル以上、市場投入し、同年からは生産する車両の25%を電動パワートレイン車とする計画。電動パワートレイン車が増えれば、量産効果で電池の製造コストを引き下げることができる。

EVの部品点数はエンジン車に比べて少ない。このためEVの生産比率が高まるにつれて、生産工程で必要とする従業員の数は減少する。VWでは長期的に同1万人の減少を見込んでいる。

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