現金信仰の強いドイツでカード決済を好む人が増えている。世論調査機関アレンスバッハが16歳以上の消費者を対象に実施したアンケート調査によると、決済手段としてカードを最も好むとの回答は29%に上り、昨年の19%から10ポイントも増加した。30~44歳の年齢層では44%に達している。
現金決済を最も好む人は66%と、依然として多数派を占めている。特に60歳超の層では82%と極めて多い。
経済的にみると、現金決済の一回当たりのコストは約0.6セントで、カード決済の2倍に上る。それにもかかわらず多くの消費者が現金を好むのは日常生活で主流をなす小口決済に適しているほか、現金の方が安心できるという事情があるためだ。
独経済・経営単科大学の調査によると、現金決済廃止に反対のドイツ人は81%に上っており、現金が近い将来になくなる可能性はほとんどないとみられる。