ティッセンクルップにサイバー攻撃

鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップが強力なサイバー攻撃に遭い、社内データが一部流出する被害を受けていたことが分かった。経済誌『マネージャー・マガチン』が報じ、同社が追認したもので、犯人は国家的な支援を受けている可能性が高いという。

同社のITセュリティ担当チームは4月、サイバー攻撃を受けていることを突き止めた。攻撃は2月にスタート。同チームが撃退に成功したのは攻撃確認から6カ月後の10月下旬だった。犯人はその後も同社システムへの侵入を試みているが、これまでのところ成功していない。

サイバー攻撃は研究成果やノウハウの盗取を目的としたもので、プラント建設を手がける産業ソリューション、欧州鉄鋼の計2部門でデータの流出が確認された。ただ、盗まれたデータは少なく、同社に知財権などの被害が発生するかは定かでないという。データやソフトウエアが書き換えられた形跡はない。

潜水艦の建造を手がけるマリンシステム事業部と取締役・監査役は被害を受けなかった。両分野ではセキュリティのハードルを極めて高く設定しているためだ。

犯人は中国ないし東南アジアから攻撃を仕かけたとみられる。