ハーモニック・ドライブ・システム(―独出資先を傘下に―

メカトロニクス製品や減速装置の有力メーカーであるハーモニック・ドライブ・システム(HDSI)は16日、出資先の独同業ハーモニック・ドライブAG(HDAG)の株式63.2%を産業革新機構と共同で取得し、子会社化すると発表した。HDAGとの資本関係を強固にすることで、開発・営業面での協力関係を拡大するとともに、両社が共有する「ハーモニー・ドライブ」などのブランドの価値を一体となって向上させていく。HDISはすでにHDAG株36.8%を保有することから、HDAGは日本の資本の完全傘下に入ることになる。来年1月の買収手続き完了を見込む。

HDSIは産業革新機構と共同で日本に新設した特別目的会社(SPC)エイチ・ディ・マネジメントを通してHDAG株63.2%を独投資会社インターグローバル・ホールディングから取得する。同SPCへの出資比率はHDSIが60%、産業革新機構が40%。HDSIが同63.2%を単独で取得することは難しいことから、産業革新機構は共同取得を引き受けた。HDSIはHDAGに対しライセンス・技術支援を行ってきた経緯があり、HDSI株を競合企業などが取得することを避けたいという思惑があった。

両社はともに、産業用ロボットの関節として使用される「ハーモニック・ドライブ」というブランド名の精密減速装置を製造している。今後はつながる工場「インダストリー4.0」の進展に伴い共同作業型ロボット向けなど他の分野でも需要の拡大が見込まれている。

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