ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した2016年の乗用車新車登録台数は前年比4.5%増の335万1,607台となり、景気対策で新車購入補助金が交付された09年以来の高水準を記録した。増加は3年連続。雇用の安定と所得の拡大が背景にあり、全体に占めるマイカーの割合は前年の34.2%から35.0%へと上昇した。12月単月の新車登録台数は25万6,533台で、前年同月比3.7%の伸びを記録した。
16年の新車に占めるガソリン車の割合は52.1%で、前年の50.3%から1.8ポイント上昇した。ディーゼル車の不振が追い風となった格好。ディーゼル車は市内乗り入れ規制論議が響いて48.0%から45.9%へと2.1ポイント低下した。その他の車両は計2.0%で、前年の1.7%から拡大した。ハイブリッド車が前年の3万3,630台から4万7,996台へと42.7%増えたことが大きい。プラグインハイブリッド車は23.8%増の1万3,744台だった。電気自動車(EV)は購入補助金制度の導入にもかかわらず7.7%減の1万1,410台へと落ち込んだ。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均127.4グラムで、前年の128.8グラムから1.1%低下した。
車種別のシェアはコンパクトクラスが25.2%(前年26.5%)で最も大きく、これに小型車が14.5%(同14.6%)が続いた。3位は中型車で12.8%(13.2%)。SUVは25.2%増と大きく伸びてシェアが前年の10.6%から12.7%へと拡大した。キャンピングカーも23.9%増と伸び率が大きかった。
新車のカラーでシェアが最も大きかったのはグレーで28.1%(前年28.6%)に上った。2位はブラックで27.4%(27.3%)だった。人気上昇中のホワイトは20.1%に達した。
ブランド別でみて伸び率が最も大きかったのはジャガーで、前年比74.7%増の8,713台に拡大した。これにアルファロメオ(53.3%増の4,293台)レクサス(46.0%増の2,456台)、双竜(37.2%増の3,397台)が続いた。
ドイツ車はVW(4.3%減の65万6,025台)とスマート(1.3%減の3万7,299台)を除いてすべて増加した。ミニは10.8%増の4万4,010台と2ケタ台の伸びを記録。これにメルセデス(8.5%増の31万1,286台)、アウディ(7.6%増の28万9,617台)、フォード(6.8%増の23万9,766台)、オペル(6.3%増の24万3,792台)、ポルシェ(5.8%増の3万203台)、BMW(5.4%増の26万2,083台)が続いた。
日本車はすべて増加した。各ブランドの実績はホンダが20.2%増の2万5,331台、トヨタが8.9%増の7万1,783台、マツダが8.8%増の6万3,310台、三菱が8.1%増の3万7,228台、スバルが6.3%増の6,963台、日産が3.9%増の7万2,547台、スズキが1.5%増の3万1,371台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドではランドローバー(25.2%増の2万2,799台)、テスラ(20.6%増の1,908台)、ルノー(13.9%増の12万5,300台)、ボルボ(10.5%増の3万9,923台)が2ケタ増となり、起亜(8.7%増の6万522台)、ダチア(7.3%増の4万9,124台)、シトロエン(6.0%増の4万8,726台)、プジョー(4.6%増の5万6,760台)、シュコダ(3.5%増の18万6,172台)、セアト(3.1%増の9万7,585台)も前年を上回った。ジープ(0.2%減の1万4,782台)、現代(1.1%減の10万7,228台)、DS(19.5%減の4,377台)は落ち込んだ。
ブランド別の市場シェアではVWがこれまで同様ダントツの1位で19.6%に上った。輸入ブランドではシュコダの5.6%が最大。日本車1位は日産(2.2%)だった。(グラフ参照)
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した16年の国内乗用車生産台数は574万3,400台で、前年を1%上回った。輸出台数は横ばいの441万5,300台。12月は生産台数が前年同月比11%増の36万5,100台、輸出台数が同11%増の30万8,300台だった。