バイエルCEOが“トランプ詣で”

独バイエルのヴェルナー・バウマン最高経営責任者(CEO)は11日、買収予定の米モンサントのヒュー・グラントCEOとともに米国のトランプ次期大統領を訪問し、意見を交わした。米国第一主義を唱えるトランプ氏はメキシコで工場建設を計画する自動車大手のトヨタや米フォードを名指しで批判するなど、同氏の考えに合わない企業に圧力をかけているうえ、発言や行動も予測しにくいことから、直接面談して買収計画への理解を求めるとともに、同氏の腹を探ろうとしたもようだ。

バイエルは昨年9月、モンサントを買収することで合意した。買収が実現すると、バイエルの農業化学部門クロップサイエンスの売上高は104億ユーロから2倍強の230億ユーロ(15年ベース)へと拡大し、ダントツの業界世界1位メーカーとなる見通し。

ただ、買収の成立には各国当局の承認が必要で、米国では司法省と連邦取引委員会(FTC)からゴーサインを得なければならない。このため両社は、20日に就任するトランプ次期大統領から支持を取りつけたい考えだ。

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