自動車大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)は7日、独オペルと英ボクソールで構成される欧州部門(GME)の営業損益が昨年は2億5,700万ドルの赤字だったことを明らかにした。8億1,300万ドルの赤字だった前年に比べると大幅に改善したものの、2016年に黒字転換を果たすという目標は達成できなかった。
16年の営業損益が赤字となったのは英国が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決定したためだ。これにより英ポンドの為替レートが大きく下落したことから、利益が3億ドル押し下げられた。EU離脱の国民投票が仮に否決されていれば同社は黒字を計上していたことになる。
ブレグジット決定の影響は今年も出る見通しで、GMのチャック・スティーブンス最高財務責任者(CFO)はGME黒字化目標の達成時期を18年へと先送りした。
一方、デュースブルク・エッセン大学自動車研究センター(CAR)のフェルディナント・ドゥーデンフェファー所長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、GMEが黒字転換を果たせなかった原因はブレグジット決定以外にもあると指摘。製品よりもマーケティングを重視する姿勢や、人気と利益率が高い大型SUVで競合に出遅れていることを批判した。