電力損失を半分以下に、新ブレーカーの技術基盤を確立

半導体大手の独インフィニオンは10日、同社を中心とする研究チームが送電網や電気機器の電力損失を半分以下に抑える直流電力ブレーカー(遮断機)の技術基盤を確立したと発表した。同ブレーカーは特別に開発した半導体を搭載しており、交流製品に比べて電力損失を低く抑えることができる。これまで交流電力が使われてきた分野で直流電力を利用することが可能になるという。

インフィニオンなどが開発したブレーカーは直流電力のオンオフを安全かつ速やかに行うことができる。これにより、再生可能エネルギーで発電された電力の送電と蓄電を効率的に行えるようになり、送電網の安定性が高まる。また、電気機器を大幅に小型化できる。

インフィニオンは2013年10月、電機大手シーメンス、航空宇宙大手エアバス、ブレーメン大学電気駆動装置・パワーエレクトロニクス・デバイス研究所(IALB)などと共同で研究プロジェクト「NEST-DC(再生可能エネルギーとオンボード配電網のための画期的な直流電力ブレーカー)」を立ち上げ、研究開発を行ってきた。投資額は450万ユーロで、そのうち210万ユーロを連邦教育・研究省(BMBF)の助成金で賄った。

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