自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が17日発表した1月のグループ販売台数は前年同月比4.0%減の81万3,700台へと落ち込んだ。同社最大の市場である中国で14.0%減の34万4,000台と大きく後退したことが響いた格好。今年は同国で旧正月(春節)が昨年の2月から1月に早まったうえ、小型エンジン車の優遇税率も引き上げられたことから、販売が減少した。2017年全体では中国販売が昨年に引き続き増加するとみている。
中国以外の地域では販売がすべて増加。中東欧は13.6%増の5万台と2ケタ台の伸びを記録した。これまで低迷していたロシアも1.3%増の9,800台に拡大した。北米は9.0%増の6万6,600台で、主力の米国は14.0%増の4万1,500台と大きく伸びた。南米は主力のブラジルが18.0%減の1万9,300台となりこれまでに引き続き大幅に落ち込んだにもかかわらず、8.6%増の3万9,600台へと拡大した。足元の欧州は5.8%増の26万2,900台だった。ドイツは1.6%増の9万1,100台。
主要ブランドではアウディ(13.5%減の12万4,000台)とVWブランド乗用車(4.9%減の49万5,900台)、商用車のMAN(5.0%減の6,400台)で減少した。アウディとVWブランド乗用車は中国市場への依存度が高く、同国販売はそれぞれ35.3%減の3万5,181台、11.8%減の30万6,900台と大幅に落ち込んだ。アウディの減少幅が特に大きかった背景には、上海汽車との初めての提携に向けた動きに対し、長年の提携先である第一汽車(FAW)のディーラーが反発し販売を抑制したことがある。
増加幅が最も大きかったブランドはセアトで、16.5%増の3万2,300台に拡大した。VWブランド商用車も12.1%増の3万5,000台と2ケタ台の伸びを確保。その他のブランドはスカニア(商用車)が3.3%増の5,500台、シュコダが2.4%増の9万3,800台、ポルシェが0.4%増の2万台だった。