クーカ―営業減益に、受注は20%以上増加―

産業ロボット・自動化機器大手の独クーカが15日発表した2016年12月期暫定決算の営業利益(EBIT)は1億6,600万ユーロとなり、前期比で15.0%減少した。中国の家電大手・美的集団が同社を対象に実施した株式公開買い付け(TOB)に伴う特別費で水準が押し下げられた格好。売上高は0.6%減の29億4,890万ユーロで、売上高営業利益率は前期の6.6%から5.6%へと下落した。

新規受注高は20.6%増の34億2,230万ユーロとなり、初めて30億ユーロの大台に乗った。自動車・一般産業からの受注が好調だったという。12月末時点で受注残高は20億4,890万ユーロで、1年前の水準を25.0%上回った。

美的集団は昨年、TOBを実施してクーカ株94.55%を確保した。美的集団がクーカを買収するとクーカの顧客が企業秘密の流出を恐れてクーカとの取引をキャンセルするとの見方があったが、16年の新規受注が大幅に拡大したことから、そうした見方は当たらなかったもようだ。

上部へスクロール