会話型人形は“盗聴器”、独当局が米社製品「カイラ」の販売禁止

ドイツ連邦ネットワーク庁は17日、会話型人形「カイラ」の販売を禁止したことを明らかにした。子供などがカイラに話しかけた内容が盗聴され得ることが分かったためで、法律上は所有も違法となる。

カイラは米ジェネシス・トイズの製品で、ドイツでは英ヴィヴィッドが販売している。会話機能はスマートフォンでアプリをダウンロードしたうえで、近距離無線通信「ブルートゥース」をオンにして利用する。

持ち主である子どもなどがカイラに例えば「お友達になってね」と呼びかけると、ジェネシス・トイズの提携先である音声認識サービス会社、ニュアンス・コミュニケーションズのサーバーにその音声が送信され、カイラが「私たちはもう友達よ」などと返事をする。その際に使われるブルートゥース通信にセキュリティ対策が施されていないことから、第三者が盗聴することができる。

ドイツの通信法90条では、ひそかに写真を撮ったり音声を記録できる機器の製造、輸入、販売、所持が禁じられており、ネットワーク庁はカイラがこれに該当すると判断した。カイラの競合製品である「ハロー・バービー」も同様の機能を持つものの、バービーの場合はベルトのスイッチを押さないと会話機能が作動しないことから、同庁は音声のひそかな記録に当たらないと判断。禁止命令を出していない。

ヴィヴィッドはネットワーク庁の販売禁止措置を不当として提訴の意向を示している。カイラは盗聴を目的とする玩具ではないとの立場だ。

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