ボッシュ―スターター・発電機事業を売却―

自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は2日、スターター・発電機事業を中国の機械メーカー鄭州煤鉱機械集団(ZMJ)と同投資会社CRCIからなるコンソーシアムに売却することで合意したと発表した。売却手続きの完了には当局とドイツ拠点の従業員の承認が必要。取引金額は公表しないことで合意した。

ボッシュのスターター・発電機事業は同社の成長に大きく寄与したものの、近年は技術革新の余地が小さく、市場では価格がものを言うようになっている。赤字が続いたことから経営陣は2年前に戦略的なオプションの検討方針を表明。昨年8月には売却に向けて子会社化(社名ロバート・ボッシュ・スターター・モーターズ・ジェネレーターズ)した。世界14カ国の計16カ所に拠点を持ち、従業員数は7,000人弱。売上高は5億ユーロで、現在は黒字転換している。

同事業にはトリトンやベインなど複数の投資会社が関心を示していたが、これらの企業は最終的にすべて買収を見送った。買収後に成果を上げるためには他のメーカーも買収して事業規模を大きくする必要があるうえ、エンジン車の需要が長期的に減少する見通しのなかで、エンジン関連の部品であるスターターの分野で買収を行うことはリスクも大きいためだ。

中国企業であれば、ボッシュの同事業買収により欧州自動車メーカーとの取引が可能になるなどのメリットがあることから、取引がまとまったとみられる。

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