アディダス―ゴルフ事業を部分売却―

スポーツ用品大手の独アディダス(ヘアツォーゲンアウラハ)は10日、ゴルフ分野の3ブランド「テーラーメイド」「アダムス」「アシュワース」を米投資会社KPSキャピタル・パートナーズに売却することで合意したと発表した。アディダスは同3ブランドの売却方針を昨年5月に打ち出していた。今後はゴルフ分野の経営資源を「アディダス・ゴルフ」ブランドのシャツとシューズに集約する。

3ブランドではゴルフボール、クラブ、バッグを手がけており、ゴルフ事業の売り上げに占める割合は約60%に上る。アディダスはこれを計4億2,500万ドルで売却。これに伴い1億ユーロ前後の損失を計上する。年内の売却手続き完了を見込む。

アディダスは1998年、仏サロモンと共同でテーラーメイドを買収した。その後サロモンが同ブランドから撤退したことから、完全傘下に収めるとともに、新たにアダムス、アシュワースの2ブランドを取得した。

だが、ゴルフブームがピークを過ぎたことから、ゴルフ事業の業績は下降線をたどっており、同売上高は一時の13億ユーロから昨年は8億9,200万ユーロへと落ち込んだ。営業赤字を計上している。

ゴルフシャツとシューズはサッカーなど他のスポーツ分野の製品とシナジー効果を見込めるため、手元に残す。

同社はアイスホッケー用品事業も売りに出している。カスパー・ローステッド社長によると、買収に関心を占める企業がすでに複数あるという。

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