高級車大手BMWの複数の工場で、車両生産に大きな支障が出ている。サプライヤー大手ボッシュからの部品供給が滞っているためで、BMWのマルクス・デュースマン取締役(調達担当)は29日、損害賠償を請求する考えを明らかにした。
「1シリーズ」「2シリーズ」「3シリーズ」「4シリーズ」に用いる操舵装置の供給が滞っており、独ミュンヘンの本社工場では23日から、独東部のライプチヒ工場では26日から、中国瀋陽市鉄西区の工場では29日から生産規模が大幅に低下。南アフリカのロズリン工場では影響を最小限にとどめるため、秋に予定していたメインテナンス作業を前倒しした。これまでに数千台の生産に影響が出ている。部品供給がいつ正常化するかは現時点で未定。
ボッシュは同日、操舵装置に用いるハウジング鋳造部品の供給が滞っていることが、BMWに対する納期遅れの原因であることを明らかにした。同ハウジング鋳造部品を製造するのはイタリアのサブサプライヤーで、ボッシュとBMWは現在、問題の早期解決に向けて社員を派遣している。同サブサプライヤーの名は明らかにされていない。