ドイツ機械工業連盟(VDMA)が1日発表した独業界の4月の新規受注高は前年同月を実質3%下回った。減少は2カ月連続。国内受注が15%減となり、足を強く引っ張った格好だ。国外はユーロ圏が14%増と好調で、ユーロ圏外も1%伸びた。
国内受注が大幅に落ち込んだのは、比較対象の2016年4月は大型受注の効果で水準が著しく押し上げられていたためで、VDMAのエコノミストは「(国内受注減は)景気減速の兆候ではない」と強調した。
1~4月の新規受注は前年同期比で実質1%増加した。国内と国外がともに1%の幅で増加した。ユーロ圏(ドイツを除く)は14%増と大きく伸びており、同エコノミストは「ユーロ圏は今年、機械業界のけん引車になる」との見方を示した。
1~4月の新規受注で伸び率が最も大きかった部門は農業機械で、前年同期をおよそ50%上回った。これにプラント・エンジニアリング機器(40%弱)、ロボット・自動化設備(約25%)、駆動技術(約20%)が続いた。パワーシステムは約50%減と振るわなかった。
1~3月の業界売上高は515億ユーロで、前年同期を名目5.7%、実質4.6%上回った。
1~3月の輸出高は名目6.0%増の397億ユーロへと拡大した。二大輸出先国である米国(7.6%増)と中国(15.5%増)のほか、ロシア、メキシコ、インド、韓国、日本向けが大きく伸びた。伸び率が最も大きかったのはイラン向けで、83%に達した。
4月の工場稼働率は85.6%で、前年同月(84.1%)を1.5ポイント上回った。