顧客に精度の高い広告を行うための情報収集活動の一環で、郊外型大型スーパーのレアルが来店した顧客の表情を記録し特殊なソフトウエアで分析していることが、週刊誌『シュピーゲル』などの報道で分かった。消費者の間からは「そうした店舗にはもう行かない」などの声が出ており、消費者を獲得するという所期の狙いとは裏腹に「遠ざける」マイナス効果を引き出してしまった格好だ。
レアルは昨年秋からレジ近辺にカメラを設置し、動画広告を見る顧客の表情を撮影。どの広告をいつ、何秒間見たかを記録し、データを暗号化したうえでITサービス会社エヒオンに送信している。エヒオンは特殊なソフトを使って顧客の年齢、性別も含めた情報を分析して結果をレアルに提供。レアルはこれをもとに広告の精度を高めている。
国内285店舗のうち40店舗に同カメラを設置した。レアルはデータをすべて匿名化するほか、150ミリ秒後に消去するなど個人データの保護に注意を払っているものの、撮影データを分析していることを顧客に伝えておらず、これが不信の一因となったもようだ。