独航空2位のエア・ベルリンがベルリン、ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)の2州に債務保証の引き受けを打診したことが8日、明らかになった。同社は累積赤字が膨らみ、経営破たんの危機に直面。経営再建の一環で旅行大手トゥイと進めてきた交渉が決裂したことから、公的支援を受ける方向で検討を進めている。独連邦経済省は9日、公的債務保証の可能性を両州と共同で検討する意向を表明した。
エア・ベルリンは事業の拡大路線などが響いて経営が悪化。2011年に実施した第3者割当増資で中東系エティハド航空が株式29%を取得し、筆頭株主となった。
エア・ベルリンはエティハドの支援を受けて経営再建に取り組んできたものの、成果が上がらないことから、昨年秋に事業再編計画を作成した。ハブ拠点をベルリン、デュッセルドルフ空港(NRW州)に絞り込んだうえでビジネス客向け事業に経営資源を集約するとともに、観光客向け路線事業で戦略的なオプションを検討するという内容だ。
エア・ベルリンとエティハドはこれに基づき、エア・ベルリンの観光客向け路線事業とトゥイの航空子会社トゥイ・フライを統合しエティハドとツゥイの合弁会社とする方向で交渉を実施したものの、決裂した。
連邦経済省はエア・ベルリンが必要な書類を提出すれば、公的債務保証の検討を開始する意向を明らかにした。同支援実施の条件として◇しっかりした経営再建案の提示◇リスクの一部をエア・ベルリン自身が担う◇国に損失が発生しない――の3点を挙げている。