自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は19日、米カリフォルニア州で開催されたクラシックカーイベント「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で、電動マイクロバス「I.D.バズ」の量産化方針を明らかにした。デトロイト・モーターショーなどでコンセプトカーを公開したところ反響が大きかったためで、2022年に市場投入する。
I.D.バズは1970年代に人気を博した通称「ワーゲンバス」の系譜を継ぐモデル。電池を床下に配置することで広い車内空間を実現している。市販モデルはVWのEV用プラットフォーム「モジュラー・エレクトリック・ドライブ(MEB)」を採用する。
VWは同モデルのトランスポーター「I.D.バズ・カーゴ」も投入する。レベル3に相当する高度な自動運転車とする計画で、主に市内配達での利用を想定している。
VWのヘルベルト・ディース取締役(VWブランド乗用車担当)は「マイクロバスは常にカリフォルニアのライフスタイルの一部だった」と述べ、I.D.バズの量産化計画を同地のクラシックカーイベントで発表した理由を説明した。同社の排ガス不正問題が環境規制の厳しい同州の環境当局の調査で発覚したという事情もあることから、“環境に優しい” ブランドであることを同地でアピールする狙いもあったとみられる。