ダイムラー―個人間カーシェアの米トゥロに出資―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は6日、個人間(P2P)カーシェアリングの米最大手トゥロに資本参加したと発表した。モビリティーサービス事業を強化する考えで、自社のP2P事業「グルーブ」をトゥロに統合。トゥロは2018年に独市場へと参入する。

ダイムラーはトゥロが実施した総額9,200万ドルの資金調達にリード投資家として参加した。同社のほか、韓国財閥SKホールディングス、保険会社リバティ・ミューチャル、投資会社ファウンダーズ・サークル・キャピタルおよび既存の全出資者が資金を提供した。

トゥロは2009年、ボストンでリレー・ライズの社名で設立された新興企業で、現在はサンフランシスコに本社を置く。12年から全米で事業を展開。昨年末には英国市場へと進出した。

P2Pカーシェアは個人のマイカーを他人に貸し出すことから、貸し手はマイカーの利用効率を高め自身のコスト負担を引き下げることができる。

ダイムラーは乗り捨て型カーシェアの最大手で、08年から「カー2ゴー」ブランドで事業を展開している。P2P事業のグルーブは昨年12月の設立。ミュンヘンやベルリンでサービスを提供している。

ダイムラーは「コネクテッド(C)」「オートノモス(A)」「シェアド・アンド・サービス(S)」「エレクトリック(E)」の計4つを将来のモビリティの最も重要なトレンドと予想。これらの分野で事業を強化するために、それぞれの頭文字をとった「CASE」という名の企業戦略を1月に打ち出した。

カーシェアはシェアド・アンド・サービス(S)に該当する事業で、金融サービス部門の子会社ダイムラー・モビリティ・サービシズが運営する。同子会社はこのほか、配車サービスの「マイタクシー」、複数の交通機関を利用した移動コーディネートサービスの「ムーヴェル」を統括している。

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