自動車部品大手の独ボッシュとマーレ7日、ターボチャージャー製造の合弁会社BMTS(ボッシュ・マーレ・ターボ・システムズ)を香港の投資会社、方源資本(FountainVest Partners)に売却することで合意したと発表した。ターボチャージャー市場は拡大傾向にあり、今後も成長が見込まれるものの、ボッシュとマーレは経営資源を他の分野に絞り込むことから、1月に売却方針を打ち出していた。取引金額は非公開。独禁当局などの承認を得て取引を実施する。
BMTSは折半出資会社で、2008年に設立された。ターボチャージャー市場ではハネウェル、ボルグワーナー、三菱重工、IHIといった日米勢が有力で、純粋な欧州メーカーはそれまでなかったが、ボッシュとマーレは顧客の完成車メーカーの間に欧州部品メーカー製のターボチャージャーを求める声があることを受け、同合弁を設立した。事業拠点は本社所在地シュツットガルトと独ブライヒャハ、墺ザンクト・ミヒャエル、上海の計4カ所。
自動車業界では燃費・排ガス性能を高めるためにターボチャージャーを搭載してエンジンを小型化するトレンドが続いている。ただ、ターボチャージャー業界では競争力が生産規模に大きく左右されることから、BMTSが長期的に業績を拡大していくためには巨額の投資が必要となる。ボッシュとマーレはそれに必要な投資資金を捻出できないことから売却する。