自動車部品・センサーメーカーである独パラゴンの電池子会社ボルタボックスは11日、新規株式公開(IPO)計画を発表した。電池市場の成長を背景に受注が極めて好調なことから、今秋にも上場基準が厳しいフランクフルト証券取引所の「プライム・スタンダード」でデビューを目指す。
ボルタボックスによると、世界のリチウムイオン電池市場規模は2026年までに昨年の430億ドルから4倍強の1,850億ドルへと拡大する見通し。自動車や特殊車両、産業分野で需要が拡大していることが大きい。
同社の売上高は昨年1,450万ユーロにとどまったが、受注残高は現在8億500万ユーロに上っており、2年後には売上高が1億ユーロに拡大すると予想している。
IPOでは発行済み株式を売り出すほか、新株を発行。親会社パラゴンの出資比率は100%から60%程度に低下する。パラゴンは長期的に過半数資本を保持する考えだ。
ボルタボックスは電動バスやフォークリフトなどの産業用車両向けにバッテリーシステムを生産している。本社所在地の独デルブリュックと米テキサス州オースティンに工場、独アーヘンに開発拠点を持つ。従業員数は91人。株式公開益は事業の拡大や買収、研究開発のほか、債務の圧縮に充てる。