トヨタ自動車は8日、燃料電池車(FCV)「ミライ」20台をライドシェアサービスの独クレバーシャトルにハンブルクで引き渡した。クレバーシャトルはミライをミュンヘンで15台、運用することも計画しており、調達台数は計35台に上る。引き渡し式に立ち会った独経済省のエナーク・フェルレマン政務次官は「水素と燃料電池は欠かすことのできない代替手段であり、電気自動車の有益な補完物だ」と述べ、FCVの今後の普及に期待感を示した。
クレバーシャトルは2014年設立のスタートアップ企業で、従業員数は35人。15年にドイツ鉄道(DB)の出資を受けており、主にDBの駅を出発・目的地とするライドシェアサービスを手がけている。顧客は専用のアプリで予約。ルートが近い他の顧客と相乗りすることになるため、料金はタクシーに比べて最大40%安くなる。
これまでベルリン、ライプチヒ、ミュンヘンでサービスを手がけてきた。4番目の都市となるハンブルクでは専らミライを利用する。燃料の水素は水素供給サービス会社H2モビリティのスタンドで補給する。
クレバーシャトルはミュンヘンで開催される世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」(16日~10月3日)にもミライを投入。駅~会場間でミライ15台を運用する。
フランクフルト、シュツットガルト、ドレスデンでも年内にライドシェアサービスを立ち上げ、サービス対象地域を7都市へと拡大する。