スイス電機大手ABB(チューリヒ)は25日、米同業ゼネラル・エレクトリック(GE)から産業ソリューション部門を26億ドルで取得することで合意したと発表した。高圧・低電圧機器やソーラーインバーター、電気自動車充電インフラを手がける「エレクトリフィケーション・プロダクト(EP)部門」を強化するとともに、北米市場でのプレゼンスを高める狙い。来年上半期の買収手続き完了を見込む。
GEの産業ソリューション部門では電子部品や発電機を手がけている。従業員数は1万3,500人。昨年の売上高は27億ドルで、売上高営業利益率(EBITAベース)は約6%に上った。中核事業から外れたことから売却する。
ABBは今回の買収のシナジー効果が取引完了後5年で年およそ2億ドルに達すると予想している。また、EP部門の売上高営業利益率(同)は買収後、落ち込むものの、2020年には15~19%へと上昇させる考えだ。ABBは長期的にGEブランドで当該事業を展開するほか、GEに製品を長期供給することも取り決めた。
ABBは業績悪化を受けて2015年に合理化計画を発表し、高圧電力ケーブル事業を売却するなど経営のスリム化を進めてきたが、今年4月に工場生産ラインの自動制御システムを手がける墺バーネッカー&ライナー・インダストリー・エレクトロニック(B&R)を買収することで合意。事業の拡大路線へと転じた。