HUKコーブルク(保険)―料金比較サイトの利用打ち切り―

ドイツ最大の自動車保険会社HUKコーブルクは26日、保険料比較サイトの利用を9月末で打ち切ると発表した。仲介手数料が高いうえ、比較サイトに対する批判も強まっているためで、10月からは自社サイトと実店舗で料金情報を提供する。クラウスユルゲン・ハイトマン社長は「わが社の自動車保険は市場で最も料金が安い部類に属する。この価格競争力を弱めないために割高な比較サイトの利用を断念する」と語った。

保険料金の比較サイトはネット経由の保険契約の締結増加を背景に急成長を遂げた。特に自動車保険で利用が多く、比較サイトに掲載されない保険商品は販売チャンスが大幅に制限されやすい。

こうした事情があるため、ほとんどの保険会社は比較サイトを利用しているが、仲介料金を保険に上乗せすれば価格競争力が低下し、自ら吸収すれば収益力が低下するというジレンマを抱えている。

HUKは今回の決定により大きな販売チャンネルを失うものの、仲介手数料負担をなくすことで保険料金を引き下げ、競争力を高める考えだ。

価格比較サイトに対しては消費者保護センター全国連盟(VZBV)が5月に公表したレポートで、透明性と客観性、独立性に欠けると批判した。また、コンサルティング会社モルゲン・ウント・モルゲンは消費者のニーズに見合っていないと指摘した。

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