フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディがエンジンのみを動力源とする新モデルの生産を2025年で停止する。ルーパート・シュタットラー社長の発言として24日付『ヴェルト』紙が報じたもので、同年以降の新車は電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)に絞り込む。競合ボルボやジャガー・ランドローバーに追随する格好だ。
シュタットラー社長は19日にインゴルシュタット本社工場で新型「A7スポーツバック」を世界初公開した際、アウディ車に占めるSUVの割合が現在の30%程度から25年には約50%へと拡大する見通しを同紙の記者に明らかにした。SUVは世界的に人気が高く、需要の拡大が続いているためだ。
SUVは利幅が大きいことから、販売増は収益力の強化につながる。ただ燃費が悪いことから二酸化炭素(CO2)の排出量が多いという問題もある。欧州連合(EU)では走行1キロメートル当たりのCO2排出量を20年以降、平均95グラム以下に抑制することがメーカーに義務づけられることから、SUVの販売比率が高まると同規制を遵守できない恐れが出てくる。
アウディはこの問題を踏まえてEVとHVの販売を拡大。25年以降は純粋なエンジン車の新モデル生産を停止する。