風力発電設備大手の独ノルデックス(ハンブルク)は14日の決算発表で、2017年12月期の売上高予測を下方修正した。業界を取り巻く環境が悪化し業績が低迷しているためで、従来予測の31億~33億ユーロから31億ユーロ未満へと引き下げた。
風力発電は各国の助成策を背景に需要が拡大している。だが、最近は発電施設を設置すれば例外なく助成を支給する方式から助成対象を入札で決める方式へと転換する国が増加。環境保護に消極的なトランプ政権が米国で成立したこともあり、メーカー各社の業績は悪化している。
ノルデックスの1-9月期の売上高は23億1,950万ユーロで、前年同期を0.9%下回った。市場の低迷が響いた格好で、営業利益(EBITDA)は10.8%減の1億8,190万ユーロに後退。売上高営業利益率は前年同期の8.7%から7.8%へと落ち込んだ。純利益は56.7%減の2,790万ユーロに縮小した。
本社所在地ドイツでは法改正を受けて市民参加型の風力発電プロジェクト(市民ウインドパーク)が増えている。市民ウインドパークでは完工期限を純営利型のウインドパークより長く設定できることから、メーカーにとっては事業の不確定要素が増えるという負の側面があり、ノルデックスにとっても頭痛の種となっている。