米投資大手がドイツ銀に出資 コメ銀株も取得、合併画策観測が浮上

米投資大手サーベラス・キャピタル・マネジメントは15日、独銀最大手ドイツ銀行の株式3%を取得したことを明らかにした。サーベラスは独銀2位のコメルツ銀行の株式(5.01%)も7月に取得していることから、市場には同社がドイツ銀とコメ銀の合併を狙っているとの観測が出ている。

ドイツ銀行は14日、米大手銀モルガン・スタンレーが同社株6.86%を確保したことを明らかにした。モルガン・スタンレーは顧客の依頼でドイツ銀株を確保したとみられる。この顧客の名は明らかにされていないものの、サーベラスだとの見方が有力だ。この見方が正しければ、サーベラスはドイツ銀への出資比率を現在の3%から積み増すとみられる。

サーベラスのスティーブン・ファインバーグ最高経営責任者(CEO)は厳しい企業再建を要求する投資家として知られる。市場関係者はこれを踏まえ「サーベラスがコメルツ銀行に次いでドイツ銀行にも出資したのであれば、両行の合併を迫ることは十分に考えられる」との見方を示した。

ドイツ銀とコメルツ銀の頭取は昨年夏、合併の可能性をオープンに話し合った。両行は規制強化や欧州中央銀行(ECB)のマイナス金利政策(中銀預金金利)にあえいでいるうえ、デジタル化に向けた巨額な投資も必要となっていることから、事態の打開策として合併が現実味を帯びてきた格好だ。ただこの時は最終的に、それぞれが抱える課題の解決が重要だとの結論に達し、正式な合併協議は行わないことにした。

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