ドイツの生命保険の3分の1以上が昨年、顧客に対する支払保証額を資産運用で賄えなかったことが、クローズドブック事業者ポリセン・ディレクト(Policen Direkt)の調査で分かった。歴史的な低金利を背景に、主要な運用手段である債券で十分な利益を稼げないことが背景にある。
同社は生保84社を対象に調査を実施した。それによると、保証金利など顧客に対する支払保証額を資産運用収益で賄えたのはアリアンツやDEVKなど54社にとどまった。その他の30社では支払い保証額に対する資産運用収益の割合が100%を下回っており、不足額を管理コストの圧縮と保有する有価証券の売却で賄った。同100%未満の企業にはゼネラリ(87.61%)やデベカ(80.42%)などの有力企業が含まれている。最大手アリアンツは127.7%と運用力が高い。
クローズドブック事業者は自社で保険契約を獲得せず、他の生保会社の契約を買収などを通じて取り込んで業務を行う企業。生保の運用難を受けて事業を拡大している。