ユニパー―フォータムのTOB提案を拒否―

独エーオンから分離する形で設立された在来型発電大手のユニパー(デュッセルドルフ)は21日、フィンランドのエネルギー大手フォータムの株式公開買い付け(TOB)提案を拒否すると発表した。同社の価値が過小評価されているうえ、事業面での相乗効果も期待できないためと説明している。

フォータムは9月、同TOB計画を発表した。ユニパー株1株につき現金21.31ユーロを支払うほか、17年のユニパーの配当として0.69ユーロを上乗せするという内容。1株当たりの価格は実質22ユーロで、全株式を取得すると約80億ユーロに達する。

ユニパー株46.65%を持つ独エーオンはTOBに応じる方向で、TOBに応じるかの最終決定を来年初頭に下すことをすでに確約済み。エーオンが仮にTOBに応じないことを決定した場合、フォータムはTOBで取得したユニパー株をエーオンにすべて売却できるほか、違約金を最低7億5,000万ユーロ、最高15億ユーロ取得する。このためエーオンが保有株を譲渡するのはほぼ確実で、フォータムは他の株主がTOBに応じなくてもユニパーの株主総会で過半数の議決権を行使できる見通しだ。

フォータムは二酸化炭素(CO2)を排出しない水力、原子力、地熱発電に経営資源を集中している。これに対しユニパーは火力発電と電力取引事業を展開。両社の事業には共通点がない。このためユニパーは、フォータムの傘下に入っても新たなノウハウを得ることはなくメリットがないと主張している。

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