ドイツ北部の都市州ハンブルクがライドシェアの実験場と化しそうだ。自動車大手ダイムラーのタクシーアプリ子会社マイタクシーは4日、ライドシェアサービスを同市で開始。競合フォルクスワーゲン(VW)のモビリティサービス子会社モイアも同日、ライドシェアをハンブルクで提供することを明らかにした。
マイタクシーはこれまで、知らない人同士が相乗りするライドシェアを手がけてこなかった。タクシー相乗りサービスを立ち上げることで1人当たりの乗車料金の低減を実現するとともに、渋滞や大気汚染の緩和にも貢献する考えだ。コンサート会場からの帰宅やホテルから見本市会場への移動などで需要を確保しやすいとみている。
料金は乗車距離に応じて乗客が分担。計算はアルゴリズムが行い、スマホアプリを通して決済する。当初は相乗り客がいなくても50%の割引を提供する。運転手には走行1回当たり4ユーロを追加で支給する。
相乗り可能な乗客は当面2人に限られる。将来的には4人へと引き上げる予定だ。
来年はベルリンとミュンヘンにも同様のサービスを導入する。
モイアは4日ベルリンで、ライドシェア用の小型電気バスを初公開した。欧州、アメリカ大陸の都市に本格導入する計画。
ハンブルクをその最初のプロジェクト都市と位置づけており、来年末から200台を投入。3年後には1,000台へと増やし、同市の交通量の100分の1を引き受ける。
同小型バスは6人乗りで、航続距離は300キロを超える。30分で80%の充電ができる。走行ルートは各乗客の乗車・目的地に応じてアルゴリズムが自動的に割り出す。
料金はマイタクシーもモイアも公共交通機関より高いものの、通常のタクシーよりは低く設定。若年層などの需要を掘り起こす考えだ。
ハンブルクは同市を環境に優しい安全かつスマートな交通のモデル都市とする計画であることから、自動車各社は関連プロジェクトを展開している。