ドイツはつながる工場「インダストリー4.0(I4.0)」関連のM&A市場で大きな買収標的となっていることが、コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調査で分かった。EYのパートナーは「ドイツ企業はインダストリー4.0のベースとなる主要技術を多く持っている」と解説した。
EYは機械、ハイテク、製造、ITの4分野を対象に世界で今年上半期に行われたM&Aを調査した。それによると、4分野のM&Aは2,595件で、前年同期比6%の伸びを記録した。全体の3分の1弱を国外投資家による買収が占めている。
国外投資家に買収された企業が最も多かったのは米国で196件に上った。ドイツは113件で2位。3位は英国(72件)、4位はカナダ(48件)だった。
自国企業による外国企業の買収の件数から外国企業による自国企業の買収の件数を引くと、ドイツはマイナス31件(82-113)に上り、マイナス幅が最も大きかった。過去3年間の累計でもマイナス幅は142件(454-596)で、最も多い。2位は英国(マイナス126件)、3位はイタリア(マイナス118件)だった。
一方、同プラス幅が最も大きいのは米国で438件に達した。2位の日本(199件)、3位の中国(147件)を大きく引き離している。