17年インフレ率1.8%、5年来の上げ幅に

ドイツ連邦統計局が16日発表した2017年の消費者物価指数は前年比1.8%増となり、5年来の大きな上げ幅(インフレ率)を記録した。インフレ率はエネルギー価格の下落を受けて14年から16年にかけて1%未満にとどまっていたが、17年はエネルギーが3.1%上昇し全体を強く押し上げた格好だ。エネルギーを除いたインフレ率は1.6%だった。(下の表を参照)

エネルギーでは石油製品の上げ幅が大きく、暖房用灯油は16.0%、自動車燃料は6.0%に上った。電力は1.7%。天然ガスは2.8%落ち込んだ。

食料品も3.0%上昇した。上げ幅は食用油脂(21.4%)、乳製品(9.7%)、魚・肉製品(3.8%)、果物(2.7%)で大きかった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.4%にとどまった。

消費者物価に占める比重が50%を超えるサービスは1.4%増と、比較的小幅な上昇にとどまった。上げ幅が大きかったのは医療サービス(3.4%)、パック旅行(2.2%)、宿泊・飲食(2.0%)など。電気通信サービスは0.9%、社会施設サービスは6.9%低下した。社会施設サービスは介護保険法の改正を受けて大きく下落した。

12月のインフレ率は前年同月比が1.7%、前月比が0.6%で、エネルギーを除いたベースではそれぞれ1.6%、0.6%だった。

欧州連合(EU)基準の17年のインフレ率は1.7%で、前年の0.4%から大きく上昇。欧州中央銀行(ECB)が適正水準とする2%弱に近づいた。12月は前年同月比が1.6%、前月比が0.8%だった。

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