電機大手のシーメンスと化学大手のエボニックは18日、再生可能エネルギー由来の電力と二酸化炭素(CO2)、細菌を利用して特殊化学品を生産する研究プロジェクト「レティクス(Rheticus)」を立ち上げた。化学製品を従来よりも環境に優しく低コストで生産する技術を獲得するとともに、温室効果ガスCO2の削減や電力の需給調整につなげる考えだ。
レティクスは両社の研究者およそ20人が参加する2年間のプロジェクトで、連邦教育・研究省(BMBF)から助成金280万ユーロを受ける。その後はパイロット生産設備を独マールにあるエボニックの工場敷地内に2021年までに設置。特殊樹脂やサプリメントの原料であるブタノール、ヘキサノールを製造する。将来的には年産能力で最大2万トンの設備設置を視野に入れている。他の特殊化学品や燃料の生産も考えられるとしている。
シーメンスはCO2と水を電力で水素と一酸化炭素(CO)に転換する電解技術を提供。エボニックは特殊微生物の代謝を利用してCOを含んだガスから有用物質を作り出す技術を持ち寄る。