フォータム―独ユニパーへのTOBで47%強確保―

フィンランドのエネルギー大手フォータム(エスポー)は7日、独同業ユニパーを対象に実施した株式公開買い付け(TOB)で同株47.12%を確保したと発表した。過半数には届かなかったものの、株主総会では50%以上の決議権を行使できる見通しのため、ユニパーを実質的に子会社化できる。フォータムのペッカ・ルンドマーク最高経営責任者(CEO)はフォータムとユニパーの協業を通して両社の価値を高めることができると発言。協業の土台を作るためにユニパーと話し合う意向を表明した。

フォータムは昨年9月、同TOB計画を発表した。ユニパー株1株につき現金21.31ユーロを支払うほか、17年のユニパーの配当として0.69ユーロを上乗せするという内容。1株当たりの価格は実質22ユーロで、全株式を取得すると約80億ユーロに達する。

ユニパー株46.65%を持つ独エーオンはその時点でTOBに応じることで大筋合意。実際にTOBに応じた。

他の株主でTOBに応じたのは0.47%と少なかった。TOB計画の発表を受けてユニパーの株価が上昇し、TOB価格を大幅に上回っていたためだ。ピーク時の株価は26.64ユーロに達した。

ユニパーはフォータムのTOB提案について、同社の価値が過小評価されているうえ、事業面での相乗効果も期待できないとして拒否の姿勢を示してきた。ただ、フォータムが47%以上の株式を確保したことから、今後は協力関係を作り上げていかざるを得ない状況で、同社経営陣の対応が注目される。

上部へスクロール