独研究開発型製薬工業会(VFA)は13日付の声明で、英国が欧州連合(EU)から離脱すると、欧州の医薬品認可手続きに大きな支障が出る恐れがあると警鐘を鳴らした。英国は認可手続きで大きな役割を果たしていることから、その穴を埋めるのは容易でなく、時間が必要だと指摘。医薬品分野ではEU離脱の移行期間を長く設定すべきだと訴えた。
EUの医薬品認可はロンドンに本部を置く欧州医薬品庁(EMA)が統括している。英の離脱後は蘭アムステルダムに移管されることになっている。
EMAの医薬品認可手続きでは加盟国の医薬品当局が実際の審査作業を行い、EMAは調整役として機能している。英国の医薬品当局は能力が高いことからこの審査作業で極めて大きな役割を果たしている。
英離脱で生じる穴はEUに残存する他の加盟国が引き受けなければならないものの、VFAは英国が果たしている役割の重要性を踏まえると「今日、明日というわけにはいかない」としている。