電機大手シーメンスの医療機器部門シーメンス・ヘルシニアーズは16日、フランクフルト証券取引所で新規株式公開(IPO)を果たした。上場規模は42億ユーロで、ドイツでは今年最大。シーメンス・ヘルシニアーズは公開企業となることで企業としての柔軟性を高め、成長を加速させる考えだ。
シーメンスは同保有株15%を売り出した。売出価格は28ユーロで、ヘルシニアーズは280億ユーロと評価されたことになる。初値は29.10ユーロと売出価格を上回り、終値は30.20ユーロに達した。
フランクフルト市場ではヘルシニアーズに先立って今年、デルマファーム(製薬)とインストーン(不動産)がIPOを実施した。今後は23日にドイツ銀行の資産運用子会社DWS、4月5日に不動産のゴーデウインドが続く予定だ。今年はIPOの件数が増えると予想されている。
シーメンスはIPOを通して非中核事業の放出を行っており、これまでに電子部品のエプコス(1999年)、半導体のインフィニオン(2000年)、照明のオスラム(2013年)でIPOを実施した。仏アルストムとの合併予定の鉄道部門についてもIPOを行う可能性がある。
ヘルシニアーズは上場規模が大きいことから、フランクフルト市場でDAXに次ぐ株価指数であるMDAXに早ければ6月にも採用されると目されている。